業務の始め方


デザインの依頼を検討しているけど依頼の仕方が分からない。
そのような場合は先ずこのページを読んでみてください。
業務の始め方、契約の種類、どのような業務種類があるのかを説明しています。

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プロダクトデザイナーへの発注は難しい?

ネットや書籍などを見ると、プロダクトデザイナーに発注するのは「勇気が要る」
という話を聞くのは少なくありません。私自身もクライアント様からそういった話を聞いたことがあります。

その要因として聞こえてくるのが・・・
・費用がどれ位かかるのか不安
・思ったような成果物が手に入るのか不安
つまりデザインという成果が読みにくいものに対する「費用イメージの掴み難さ」や
「費用対効果の読みづらさ」「契約がきちんと履行されるか」といった内容があるようです。

また日本においては独立プロダクトデザイナーそのものの人口が少ないこともあって、
そもそも企業様が仕事としてデザイナーと付き合うチャンスが少なく…
・発注の作法がワカラナイ
・どうやってコミュニケーションしたらよいのかワカラナイ
といった「不慣れ」から来る不安も見受けられます。

・・・でもそういう事でしたら、お伝えすべきことは見えてきました。
不安要素は解消していきましょう。

当ページはなるべく円滑に業務をスタートできるよう「丁寧な解説」を心がけました。
仕事を発注してみたいという方は是非、目を通してみてください。


目次
1.どのような仕事を発注できるか?
2.業務の進め方
3.契約の種類
4.費用はいくら?
5.上記に当てはまらない場合

1.どのような仕事を発注できるか?

プロダクトデザイナーの役割は「プロダクト=製品」…をデザインする事。
もう少し言うと「プロダクト=製品」…をより良く、もっと便利に、魅力的にする事が使命です。

・商品をより良くするアイデア発想力
・機能を向上させるノウハウ
・魅力的に見せるテクニック・造形力・美的センス
・なおかつ商品として実現・製造できるための管理・調整力
・具体的な商品データを作るソフトウェア習熟

このような「より良い商品を作りだす技術」を日々鍛錬していますので、
これらの能力を求めている企業様にはマッチします。

以下に、当方で請け負える代表的な業務例を紹介いたします。

・製品デザインをする


最も代表的な業務が、その名の通り「製品デザイン」業務です。
商品をより良く、より使いやすく、より魅力的にします。
アイデアを発想し、具体的な形を考え、必要に応じて3DCADデータを作成します。

・キレイなCGを作る


商品を魅力的に伝える、リアルなCGを作成します。
商品を格好良く見せたり、演出したりすることで広報に役立てます。
またカタログやWEB掲載用に製品の形や材質を正確に表現する事にも役立ちます。
後述のモックアップモデルを作る前のデザイン検討にも使えます。

・モックアップモデルを作る


手にとって確認できる立体モデルを作成します。必要に応じて様々な仕上げレベルに対応します。
モデルを作ることによって実際に製品化する前に、具体的な評価・確認が行えます。

・リサーチをする


商品開発の進むべき方向を探るべく、必要に応じて調査・分析を行います。
競合他社と比較したり、自社製品の課題を発見したり、アイデアの発端となる気づきを探ります。
ユーザーの声を直接聞く、インタビュー・調査も実施できます。

・顧問・相談役になる


一定期間、外部のデザインスペシャリストとしてデザインに関する相談役となります。
勉強会を開くなどして、デザイントレンドや情報をインプットしたり、
デザインに関する困りごとに対処するなど、クライアント様のデザイン素養を底上げします。

2.業務の進め方

業務の進め方についてご説明します。

プロダクトデザイナーの仕事は、多くの場合、
「成果物を発案・製作」し「納品」するという流れになります。

※クリックすると大きな画像で確認できます。

先ずは相談を投げかけて頂く形になります。
「製品のリニューアルがあるので、形を考えて欲しい」
「こんなモノを作ってみたいのだけどどうしたら良い?」
「3Dデータを作って欲しい」
「サイトに載ってなかった仕事ですが、こんな事って出来ますか?」
…などなど、思いついたら先ずは何でもお声かけください。
上図の通り、相談やお見積は「業務の範囲」ではありませんので双方、しっかり検討します。

当WEBページにある「お問い合わせ」機能を是非活用ください。
フォームに記入するだけで相談を投げかける事ができます。
「お問い合わせページはこちら」

「顧問契約」など納品物を納めるタイプではない仕事の場合はまた少し違う流れになります。
契約の種類によって変わってくるところでもありますので「契約についての話」を次に説明いたします。

3.契約の種類

業務をするにあたって、発注者側と受注者側とで考え方に「食い違い」が生まれないように、
あらかじめ書面で契約を取り交わすことがお互いの利益を守るため大事です。

秘密を守る契約【秘密保持契約=NDA】
プロダクトデザインでは特に重要ですが、製品のアイデアや形自体が価値である場合が多いです。
開発に入ると、様々な情報が飛び交うようになります。
そういった情報や成果物を「競合や第三者に漏らさない・秘密にする」取り決めがNDAです。
秘密保持契約=NDAについて wikipediaページ

費用のお支払いに関する契約
また費用の支払いに関する契約も幾つかあります。
これらについては双方で確認した上で業務を開始します。
典型的なものを下記に説明致します。

【プロジェクトごと一括払い・一括フィー方式】※最も多い


一度の発注につき、お支払いは成果物納品後に一まとめにする契約です。
当方が受注する業務で一番多いのがこのパターンです。
業務期間が1、2ヶ月程度のプロジェクトの場合はこの方法が多いです。
基本的に、発注者側は納品物の出来を確認・検収した上で費用を払うことができます。

【プロジェクトごとに分割払い:分割フィー方式


着手月、またはプロセスの途中に費用の一部を支払い頂き、
完了時に残金をお支払い頂く分割支払いの契約です。
主に業務期間が長期にわたる場合、期間中の費用確保の面で検討します。
当方においては業務期間が3ヶ月以上のプロジェクトの場合、こちらを提案させて頂いています。

【ロイヤルティー支払い・成果報酬】


製品を商品化し売上が発生してから、その売上の数パーセントを報酬として支払う契約です。
例えば売上の3%を毎月デザイン発案者に支払う、といった形になります。
この場合、製品が発売されるまで費用の支払いがないため、発注者側はメリットが大きいと言えます。

デザイナー側がメリットを感じる部分と言えば、いざ商品化されてから定期的な収入が確保できる事。
またその商品の売上が伸びた場合です。
支払い期間については期間やリミット額を双方で決める場合があります。
「売上額」については発注者側が数字を掴んでいるため信頼関係が求められます。

【フィー方式+ロイヤルティ方式の組み合わせ】


ロイヤルティー支払いに加え、業務完了時に一部費用を支払い、
それ以降は通常のロイヤルティー支払いと同様とする方式です。
発注者側のメリットとしては、プロジェクト一括支払いより初期の開発費用を抑えつつ、
販売後のロイヤルティー比率のバランスを取ってデザイナーのやる気を引き出す事も出来るという点があります。

【顧問契約時の定期的な支払い】


顧問契約では一定期間、定額で契約を結びます。
「1年間アドバイザーになる」といった場合、着手後、毎月定めた費用をお支払い頂く形になります。
具体的な納品物は発生しない場合もありますが、期間中求められた役割を果たします。

4.費用はいくら?

費用については、最も関心が高い部分かも知れません。
ここでは費用についての考え方を紹介します。

Q.費用メニューはあるか? → A.都度お見積もりをします

業務発注を検討したいので「費用メニュー(一覧表)はありますか?」という問い合わせがあります。
当方は基本、費用メニューを用意・公開していません。

理由としてプロダクトデザイン業務は案件ごとに業務内容や工数が変わることがほとんどです。
一概に「この仕事=この金額」という単純なメニュー化がしづいというのが一番の理由です。

例えば「製品デザインをする(=スケッチを3点描き、その内1点3Dデータにして納める)」という業務内容の場合、企業様Aと企業様Bとそれぞれ発注があったとします。各社ごとに製品の大きさや複雑さ、機能に違いがあり、企業様が成果物へ求める要件、納期、誰に向けた商品なのか、製造規模などなど・・・様々な部分に違いがあります。これ等をトータルで考えると作業内容に違いが出てきます。「納品物が同じ」でも作業にかかる工数や用いる専門技術が変わってくるのです。

ただ、全く目安がないのかというとそうではありません。
費用算定には幾つか参考にするポイントがあります。

・業務にかかる工数・所要時間
・業務に求められる技術量・難易度
・成果物がもたらす波及効果・責任範囲

という点が挙げられます。

業務期間が2週間で終わるものと、2ヶ月かかるものとでは
単純工数が多い「2ヶ月かかる業務」の方が費用は高いです。
また要求されるハードルによっても費用が変化します。
例えば「本来1ヶ月かかる業務を2週間で納品して欲しい」となると費用はアップします。

当方では、先ず業務の問い合わせを受けますと上記を鑑みてお見積もりを提案します。
前述のとおり、この部分は業務ではありませんので無料です。是非お気軽にお声かけください。
また予算が予め決まっている場合なども是非お知らせください。費用に合わせて内容を提案いたします。

 

初めての案件は、お互いお試しの感覚で

初めてのお仕事で、何もかも上手くいくかはお互い未知数です。
発注側も受注側もやってみないと分からない部分があります。

当方の経験上、初めてのお仕事でいきなり双方イメージ通り!となるのは稀な事です。
が、何度か仕事をしていくと双方で費用感・成果物のレベル感が読めてきますので調整が円滑になります。
ですので発注が不安な方は、短い期間で終わるスモールプロジェクトから検討頂ければと思います。

 

報酬額 = デザイナーを育てる

「妥当な報酬額は幾らか?」というのは難しいテーマです。
発注者側からすると、費用は最小限に抑えたいのが正直なところだと思います。

受注者目線で言えば成果物は「時間を費やし」「これまで鍛錬した技能をつぎ込んで」作られます。
また所有・維持する「機器・ソフト・資産を投入」して具体的な成果物を形作ります。

最小限に抑えた費用での発注であっても一定の成果物を出すのがプロデザイナーの使命です。
ですが私のようなフリーランスデザイナーや立上げ間もない会社であれば、費用と業務内容とのバランス調整はシビアですので「最小限の手数で仕事を終わらせよう」と考えるようになります。

高いレベルの成果物を期待頂く場合は、費用は最小限に抑えず「投資分」を見込んで頂けた方が発注者様側にもメリットがあると考えます。先述の通りデザイナーのモチベーションはそのまま成果物に現れます。また機器・資産の維持や企業活動の維持に余裕が出てくると、デザイナーは更に新しい技能獲得ができるようになり、生み出すデザインにも反映されるようになっていきます。

費用算定は発注者様にとっても大事なポイントだと思いますので、そういった点も是非鑑みて頂きご検討頂けますと幸いです。

5.上記に当てはまらない発注ご検討の場合

以上、基本的な部分をご説明しましたが、これに当てはまらない業務もあるかと思います。
たとえばクラウドファウンディングを活用した製品開発や、
チームアップして共同開発関係を結ぶ…など様々です。

また近年、プロダクトデザイナーの役割は広がりを見せています。
「製品デザイン」業界は技術が成熟してきており「商品化技術」「色・形を良くする」仕事にとどまらず、
より「新しい価値を開拓する力」が問われるようになってきています。

・新しい「価値」や「体験」を見出すコンセプト提案力
・自らリサーチ・分析し、結果を整理する情報処理力

・アイデアをいち早く立体化し稼動させる技術力・実現力
・社会課題に立ち向かい、解決する術を見出す問題解決力
・様々な部門と会話し人と人とをつなげてプロジェクトをゴールに導くファシリテート技術

などなど「プロダクト=製品」開発を下地とし、新しい業務分野が発展してきている状況です。

そういう点では、私はプロダクトにとらわれず新しい業務を開拓したいと考えています。
是非、従来の枠組みにとらわれない新しい業務を始めましょう。

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